さて、今回は、「産業医の選び方」の初回で紹介した選択肢である「② 産業医業務も行うクリニック」について説明します。
産業医は医師であれば講習を受ければ取得可能であり、全科目の医師が対象です。
様々なクリニックのHPを見ると、産業医業務も行っている旨の文言があり、内科、外科、精神科などで主に請け負っている様に見受けられます。
主にクリニックの休診日や休診時間を利用して産業医活動を行っており、以下の特徴を初回に挙げて説明しました。
【特徴】
・クオリティに差がある。
・費用は開業医水準に合わせて高め。
・費用が安い場合、いわゆる名義貸し産業医の可能性がある。(名義貸し産業医はもちろん違法です!)
・休診日に限定されるため、臨時対応など時間の融通が効きにくい。
結論から言うと、「初回ブログで紹介した候補の中で最もクオリティ差がある選択肢」である事に留意しなければなりません。
産業医活動に力を入れていて、産業衛生学会などでも発表したり、地域に尽力する素晴らしい先生方がいる一方、
名前を貸すだけでほぼ何もしないいわゆる「名義貸し産業医」が存在します。
「そんな産業医がいるのか!?」と思うかもしれませんが、これが結構な割合で存在します。
代表である私の経験例で言うと、現在、産業医として担当している千代田区内の企業は、前任が「名義貸し産業医」でした。
千代田区内の某クリニックでしたが、ほぼ何もせず労基署への提出書類にハンコを押すのみ。
衛生委員会への出席もせず、健診結果の就業判定もなし。
会社側は「資格を持つ産業医にお願いしているので安心」と考えていた様ですが、
私に切り替わってから様々な義務がある事を知り、驚きを隠せない様でした…。
また、現在、ある全国規模の企業の面談体制を当事務所で整えているのですが、
産業医を依頼している地方事業所のクリニックに衛生委員会への出席を企業が依頼したところ、
「診療で忙しく、衛生委員会には出られない」という驚きの回答をされたという事例もありました。。。
ちなみに上述した千代田区内の某クリニックは、HPで大々的に専門性の高い産業医業務を謳っており、
パッと見で判断はつかない内容です。。。
クリニックに産業医を依頼する場合の判断ポイントについては
別回で記載しますが、選定の際は上記の実態に十分留意して選ぶ必要があると思います。
→To be continued(続く)...
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ウェルストン産業医事務所
代表 石井辰弥